「主体者」である人間は,「じっくりだれかの話に耳を傾ける」という選択肢も持っている
アクティブ・ラーニングっぽい授業は,だれにでもできる。
子どもが話し合ったり教え合ったりすることが「アクティブ」と考えるならば。
しかし,まともな教師がそんなことを信じているはずはない。
「アクティブ・ラーニング」の講演会に参加して,講師の話にじっと耳を傾けている先生たちは何をしているのか?
「主体者」である人間は,「じっくり人の話を聞く」ことを選ぶ場合もある。
「じっくり人の話を聞く」習慣をつけられないで中学校に上がってくる小学校7年生が少なくない。
その原因は何なのか。
進学後,三者面談して親の言い分ですぐにわかる。
「この子は人の言うことを聞かないのです」
なるほど。親として,「人の言うことを聞ける人間に育てること」に失敗しているわけである。
教師に反抗するわけではない。
しかし,教師が話していることが理解できない。
こういう子どもが多い学校で,「アクティブ・ラーニング」を行うことは難しい。
子どもたちは「別の意味で」アクティブになる。
大学入試で,こんな問題はどうだろう。
30分くらいの講演を聴き,20分くらいで関連資料を読ませて,
50分くらいで講演の要旨を資料を活用しながら800字くらいにまとめさせる。
教室内をうろついてただの穴埋めプリントを消化しているだけの授業ばかり受けてきた子どもたちには,全く太刀打ちできない課題になってしまうだろう。
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