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なぜ全国学力調査の問題を練習させることが「正しい」か

 全国学力調査の問題は,「どういう授業を行って,どのような学力をつけることが望ましいか」を表現したものである。

 各学校で,つまらないテストを繰り返すのはやめて,学力調査のような問題を解かせる場面を増やして,学力を向上させることが求められる,という主張を文部科学省は発信すべきなのである。

 ただ「結果がどうか」だけを確かめるために実施している「調査」(テスト)ではない。

 だから,「過去問を解かせるのはやめろ」という圧力はおかしい。

 むしろ,「過去問を解かせることで,子どもにどういう能力が求められているのかを知ってもらうようにしてほしい」と主張することの方が正しい。

 「過去問にあるような授業を展開してほしい」と主張することの方が正しい。

 そうでなければ学力調査を実施している意味がない。

 もちろん,自治体によっては,「平均点を上げたい」という動機だけで「過去問を解くこと」を指示しているところもあるかもしれないが,実態としては,「過去問を解くこと」自体で学力を向上させることができるのである。

 全国学力調査のような問題は,特に小学生の場合,「慣れていない」ことだけが理由で正解できないことが多い。

 算数の問題でも,国語力が必要なのである。

 教師の指導力が低いと,問題自体にとまどってしまい,能力はあるのに問題が解けないという事態が発生する。

 下手な授業よりも,上手な授業を再現しているような問題を解かせることの方が,学力向上に役立つのである。

 経済的に余裕がある保護者が,なぜ子どもを塾に通わせるのか。

 日本の子どもの学力を保障しているのは,学校なのか,塾なのか。

 塾にあって学校にないものに早く文部科学省が気づくべきである。
 

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より