「ジャーナリズムは政府の手先」と思われるようになってしまった国
いったいどこの国の話だろう。
東日本大震災の被災者が,「視聴料を徴収する放送局」を名指しで非難しているとのことである。
「政府に利用されている放送局より,民放の方がマシだ」と。
「復興が進んでいる町の様子」を国民は知る権利がある。
余分の税金をとられたから,という了見の狭い話ではない。
ただ,被災者の中には「復興が進んでいないこと」から目を背けさせるねらいがあるのではないか,
と疑心暗鬼に陥っている人がいる。
民放の方にも,疑いの目は向けられている。
「政府に都合のよいことしか放送していないのではないか」と。
ジャーナリズムの死はいつ訪れたのか。
どのようにしてよみがえったのか。
「放送法」は,どのような経緯で,何を趣旨としてつくられたのか。
「歴史」の知識は非常に重要である。
「歴史」の知識がある人間から,総務大臣のある発言を評価するとどういうことになるのか。
「民主主義国家では,あり得ない」ということである。
「自主規制」「自粛」「忖度」「遠慮」が招く弊害を,目の当たりにできるような時期にいよいよ突入している。
政治家の一言によって,歴史が動かされようとしている。
放送の自由度ランキング61位の国。
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