モジュール学習? バラバラな部品の製作を行っただけでは意味はない
15分程度の時間で学習を行う「モジュール学習」には,基礎を徹底することを目的として実践されている事例があるようだが,そもそもこんな学習は,教師が「全員」を対象にやるような質のものではない。
100マス計算に代表される,刑務所か軍隊での「しごき」のような強制的訓練が,どれほど学習の「主体性」を奪っているか,自省できる人はいないのだろうか。
もし私がこんな単純作業を時間に追い立てられて押しつけられたら,それだけが原因で不登校になっただろう。
わずかな「隙間時間」を何度か組み合わせて,総体としての「能力」を高めようとする個人の学習方法に使うのならいざ知らす,「ゴールのイメージ」がよく見えていない子どもに,パーツ=部品づくりだけをひたすら強いるような学習も,決して「自ら学ぶ意欲」や「主体的に学ぶ姿勢」を身につけさせるものにはならないはずである。
子どもたちは,「バラバラ」で統一感のない学習を,ただ「飽きさせない」「集中させる」という目的だけで取り組まされていく。
モジュール学習の問題点をきちんと指摘できる人は小学校現場にいないのだろうか。
英語教育のプロは1人もいないはずだから,あとはだれかの言いなりになるしかないのだろう。
教師も不幸だが最大の被害者になるのは子どもである。
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