実践を語る人とただの「べき論」だけを語る人
社会科の研究会での講師を依頼されるときは,
「ぜひ実践の話をお願いしたい」という条件がついている。
「理論を聞いてもあまり参考にならない」
「理論の話をしている人の中には,絶対に授業をしたことがないなとわかってしまう人がいる」
という声を耳にすることが多い。
「実践を通して体得した自分なりの理論」を語れるのがベストなのだろうが,
それはすべて「相手」=「生徒」あっての話である。
だから,他の教師の実践の話を聞きながら,自分ではどのような実践にしようか,
どうアイデアをちょうだいするか,自分の教えている生徒に合わせてどうアレンジしようか,
と考えるのが研究会を実施する目的であることが望ましいのだろう。
より魅力的な実践の提案をすることが,
「理論派」への望ましい挑戦方法ということになる。
実践的な能力が高い教員を採用するための問題の事例を紹介する。
もしあなた(教員採用試験受験者)が社会科の授業で,「富山ブラック」を教材化するとしたら,どのような方法が考えられるか。
地理か,歴史か,公民か。
単元の目標は何か。
どのような力を見つけることができるか。
どんな問題(テスト)で,力がついたかどうかを確かめるか。
私なら,ドラえもんの「鍋奉行」の話と,ある理由で大量の残飯問題が発生した中学校での給食の問題を題材にしながら,「東日本」と「西日本」の違いなどを考えさせる地理の授業にしたい。
「べき論」発想の人には対応不可能な問題だろう。
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