「問題解決学習」という名称の亡霊が真のアクティブ・ラーニングの足を引っ張る日本の教育
日本語で「問題解決学習」とよばれる経験主義的な学習活動を実践している方々がいらっしゃる。
耳あたりのよい理念ばかりが先行し,現実としては教師にとって都合のよい「問題」しか「問題」になっていない実践が多く,しかも教師にとって都合のよいかたちで「解決」したことにするものばかりがめだつため,
学習指導要領の解説等では,「問題解決的な学習」といって厳密な定義が不可能な呼び方がなされている。
「子どもたちの疑問」の多くは「仕立て上げられたもの」であり,なぜか「指導案」に載ってしまっていたりする。
たとえば40人の学級で授業をしていて,本当は何人の子どもが「自らの」「心から」その疑問を抱いていたかを,同調性圧力が強い学級王国で探索することは不可能である。
そもそも「子どもたち」とは,一体何をさしているのか。AさんとBさんなのか。AさんとBさんとCさんなのか。それとも10人くらいの子どもか。40人全員のことか。
「子どもたちが自分たちで自分たちの疑問を出発点にして,様々な知識や技能を習得し,また新しい見方・考え方を得ることができたと実感できるように学習活動を導く」ことが,どこの国のどのような学校や教師が実現できるのか。
「子ども」はいつの間にか「子どもたち」という名の「複数形を装った単数形」にまとめ上げられ,「だれかの疑問」を「私たちの疑問」として出発させられる。
これ以上,善人ぶった「やらせ」はない。
アクティブ・ラーニングと「やらせ」の関係を見破る簡単な方法がある。
最近では,子どもがボイスレコーダーを教室に隠し持っていることを教師たちは想定していなければならない。
授業の復習は,親子で教師や子どもたちの肉声を聴きながら自宅で行えてしまう。
ITの発達は,誤魔化すことを許さない人にとって,「秘密兵器」となる。
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