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手のひら返しが好きな人間の弱さ

 気の弱い人ほど,強気な発言を発してみるものの,

 ちょっと批判されると躍起になって反論し,自分を守ることに専念してしまう。

 余計に攻撃的になるあたりは,荒れた学校にいる手の付けられない子どもと同じである。

 「本当に弱いんだな」「精神がか細いんだな」と思われてしまうようなみじめな大人を間近に見て育つことができれば,自分を余計にみじめにさせる行動はとらずにすんだはずである。

 気の弱い子どもの行動パターンを観察していると,

 手のひら返しがよく発生する。

 さっきまでバカにしていた相手を,自分の都合が悪くなると急に褒め出す。

 少しでも自分が有利になる方に,機敏に行動の舵をきる。

 一方の頑固で強気な子どもは,間違ったことでも揺るがない。

 どちらがやっかいかと聞かれれば,前者は状況設定によってはよい方向へと導けるから,

 後者が悩ましいと答える。

 ただ,どこか「残念」な気はしない。

 「自信」さえ感じる人間の意固地な態度というものは,異文化の人たちと接するときには違和感なく受け入れられる可能性もある。

 まるでカメレオンのように,さっきまで書いている文章が残っているのに,
 
 そのことと逆のことを平気で書けてしまうような人,

 さっきまで言っていたことと逆のことを相手に合わせて主張したりする人は,信用されるはずがない。

 人間の「弱さ」は,悪循環にはまりやすい。

 蟻地獄から救ってあげる方法の開発が,教育現場に求められている。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より