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本日の都立高校入試(社会科)の記述問題について ~近江の大津・坂本の馬借とアフリカの森林減少~

 本日行われた東京都立高校の記述式の入試問題について,気づいたことをメモしておく。

 歴史では,中世における大津と坂本の馬借が果たした役割を,地図と2つの資料をもとに述べるものであった。

 問題文に「大津と坂本で活動した馬借」とあるが,馬借は言うまでもなく運送業者だから,

 「大津と坂本を拠点として活動した」とか,「大津と坂本に住んでいた」とした方が適切だっただろう。

 正答例は,「主に琵琶湖の水上路を利用して,」から始まっているが,

 「水上路を利用」したのは馬借ではないから,「利用して」の後ろの読点はない方がよかったかもしれない。

 この問題は,「馬借の役割」を問うよりも,
 
 「大津や坂本」が物流の拠点になっていた理由を問う方が,「考える」きっかけができただろう。

 地図がなくても正答できてしまう点が最も気になる点である。

 また,教科書等では「馬借たちが起こした一揆」が紹介されているため,「一揆を起こした」と解答した生徒がいたと考えられるが,これは減点対象となるのだろうか。

 高校ごとに採点基準は定めてよいので,聞いてみたい点である。


 もう1つ。アフリカ州の森林面積の減少と農地面積の変化を人口の増加と結びつけて答えさせた問題だが,

 正答例は,次のように示されている。

 「森林面積は減少し,農地面積は増加した。その理由は,人口の増加に伴い,食料等を増産するために森林を伐採し農地にしたから。」

 前半はグラフを読み取っただけだから間違いない。

 問題は後半である。

 アフリカの人口増加は,食料生産の増加を上回る勢いである。

 食料が増加したから人口が増加しているというわけではない。

 実際,食料の輸入も増えている。

 森林の減少の原因はさまざまだが,アフリカの森林伐採は,薪にするための木材をとるためと,木材を輸出にまわすために減少している。

 いも類は火を通さないと食べられないため,人口増加に伴って煮炊き用の薪が大量に必要になっている。

 伐採した森林がみんな農地になっているかのように読める答えはいかがなものか。
 
 さらに,教科書では輸出用農産物で外貨を稼ぐというアフリカの農業の特色も説明されている。

 増えた農地のうち,アフリカの人々の胃袋を満たすためのものがどれくらいあるのか,疑問である。

 
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    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
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