ウェブページ

最近のトラックバック

本の検索・注文


  • サーチする:
    Amazon.co.jp のロゴ

« 原理・原則・法則にしがみつくと,すぐに思考停止に陥ることになる | トップページ | 努力の結果が報われない学校の評価システム »

「考える力」を問う大学入試新テストの傾向と対策

 ただ記述式にしただけで,「考える力」を問う良問になるというわけではない。

 全国の公立高校の入試問題をご覧になっていただきたい。

 記述式問題には,単語で答えるもの,10字程度で答えるもの,2~3行で答えるものなどがある。

 これらの多くは,「覚えていればできるもの」と「覚えていなくてもできるもの」に大別でき,「本当に考える力を問うていると言えるもの」はごくごくわずかである。

 与えられた資料を見れば,おそらく中学校で一度も授業を受けたことがない小学生でも解けそうな問題もたくさんある。

 「考える力」を問うとは言っても,答えがAパターン,Bパターン,Cパターンのいずれかが正解,という問題は出題しにくく,おそらく基本的な「正解」があって,そこと何が違っていればどれだけ減点するとか,あるいは小さいパーツごとに細かく点数をつけて重ねていく,という採点方法となるだろう。

 「ふたを開けてみたら,こんなテスト,やるだけ時間と労力のムダだった」と言われないように,作問には細心の注意が払われることになるだろうが,制度設計者が最も困るのは,記述式問題の得点と,その後のマークシートの問題の得点の相関がきちんと出てしまうことだろう。2種類行う意味がなくなってしまう。

 あるいは,記述式問題はさっぱりだが,マークシートの問題が非常によくできた,という受験生が出てくるのも都合が悪かろう。

 「そんな学力ではダメだ」というのがテストの仕組みを変えるそもそもの理由なのだから。

 さらに言えば,記述式問題がとてもよくできるのに,マークシートのできが悪い学生というのはどう評価されるのだろうか。

 得点の配分にも工夫が必要になるだろう。

 新テストが始まると,問題の難易度も,前年の結果を受けて,次年度以降は調整されていくに違いない。

 大学は,どのような学力のタイプの学生を合格させるのか,頭を悩ませるところもでてくるだろう。

 小学生の子どもをもつ親としても,中学校1年生の担任をしている教師としても,先行きは不安である。


にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へにほんブログ村 教育ブログ 教師教育・教員養成へにほんブログ村 教育ブログ 社会科教育へ
教育問題・教育論 ブログランキングへ

« 原理・原則・法則にしがみつくと,すぐに思考停止に陥ることになる | トップページ | 努力の結果が報われない学校の評価システム »

教育」カテゴリの記事

学習指導要領」カテゴリの記事

教育改革」カテゴリの記事

学習の評価」カテゴリの記事

ブログネタ」カテゴリの記事

学力向上」カテゴリの記事

教職教育」カテゴリの記事

教師の逆コンピテンシー」カテゴリの記事

教育実習」カテゴリの記事

教員研修」カテゴリの記事

グローバル人材」カテゴリの記事

アクティブ・ラーニング」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「考える力」を問う大学入試新テストの傾向と対策:

« 原理・原則・法則にしがみつくと,すぐに思考停止に陥ることになる | トップページ | 努力の結果が報われない学校の評価システム »

2019年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より