教育管理職の悩みのタネ
管理職を目指す人間が減っている。
もはや,教員など経験せずに,管理職にだけなりたいという人間を別コースで採用しなければならない時代になるだろう。
教育管理職にとって,最も手の焼けるのは,生徒が起こす問題ではなく,
(問題行動などは,空気のように自然に発生するものである。問題を起こし,教師や親に叱られながら,子どもは成長していく)
教員の服務事故である。
セクハラ,体罰,飲酒運転など,問題は多岐にわたる。
報道されている教員の問題は,氷山の一角に過ぎない。
顔にあとがのこるような体罰はもちろん「教育的指導」とは呼べず,
「傷害事件」として扱われるべきものである。
教育委員会のコントロールも不能なのだろうか。
ある校長は,教員の起こす問題を「事案」と表現していたが,
こういう言葉づかいが親の怒りをさらに増幅する原因だと気づく感覚がないからこそ,
ご丁寧に校名が入った正門まで全国ニュースに流されてしまう「有名校」になるのである。
教師には異動があるが,転校しないほとんどの子ども,卒業生にとって,
自分が在学している学校,卒業した学校が「事件」で報道されることは
残念でならないだろう。
教育委員会の事務局では,多発する教員の服務事故への対応に苦慮しているが,
実名入りの服務事故報告をネットにUPするだけでは抑えになっていない。
同じ時期にスマホで女性のスカートの中を盗撮し,懲戒免職になっている教員が複数名いたことには驚きである。
校内の体罰ならともかく,予防のしようがない問題が多く発生している。
管理職の指導監督力不足だと詰られて,減給処分を受け,テレビカメラの前で頭を下げる自分の姿に耐えられるような人間にしか勤まらない仕事なのか。
20代,30代の服務事故も多発している。
教員の質を上げるための施策が,国家運営上の優先事項になり得ない政治というのも悲しいものである。
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