自分の手の届かないところの話はしない
アクティブ・ラーニングをにわか仕込みで高校で導入しようとすると,
小学校よりレベルの低い授業になってしまうケースがある。
営業妨害になるかもしれないから具体的な事例を紹介するのはやめておくが,
教師はやたらと「背伸び」をしたがる悪い癖があるから,直接伝えてくれるだれかが必要である。
生徒が優秀な学校にやって来て,
アクティブ・ラーニングをしているところを見て,
「生徒が優秀だからできる」と恥ずかしげもなくコメントする人間がいるが,
教師は生徒を優秀にするのが仕事であり,
もし優秀な生徒がいたら,もっとできるようにするのが仕事である。
学習状況に課題を抱える生徒を多く抱えているのであれば,
その改善策を探らなければならない。
それもアクティブ・ラーニングである。
「できる」学校で「できる」生徒を見て,真似しようとしても,それは無理である。
「できない」生徒を「できる」ようにすることが教師の使命である。
いきなり偏差値40の生徒が60になったりはしない。
「できる」ことから前に進むしかない。
自分の手の届かないところの話ではなく,
まず「できる」ことは何かを考えるべきである。
そのときの注意事項は,「今よりレベルを下げてはいけない」ということ。
アクティブ・ラーニング「もどき」を実践すると,目に見えて学力は下がっていくだろう。
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