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「覚える」ことより「思い出す」ことを訓練することで創造力が高まる

 読書編と同名のタイトルですが,教師として,「思い出す」「記憶から引っ張り出す」という行為を,どれだけ日常的に(反射的に)行えているか,ふり返ってみることにしました。

 多くは,「比較」のパターンです。

 あの生徒の表情は,昨日に比べてどうか。

 ここであの生徒は,昔だったら,どのような発言をしただろうか。

 自分は,このような場面で,どういう言葉を生徒にかけただろうか。

 その言葉はどのように響いていっただろうか。

 教師一般は,どういうときに「思い出そう」「記憶から引っ張り出そう」としているのでしょう。

 どういう「思い出し方」「引き出し方」が,自分(教師)自身にとっても,子どもにとっても,プラスにはたらくようになるのでしょうか。

 授業の場面。

 生活指導の場面。

 行事運営の場面。

 保護者対応の場面。

 事故の場面。

 どのような「思い出し方」が,新たな創造に結び付いていくのか。

 ただ単純に,「成功例」を「思い出す」だけではダメのような気がしませんか。

 「よくできました」で日々の活動が終わってしまっていては,よりよい成長は図れないと思いませんか。

 どんなに「うまくいった」と満足したくても,「どこかに不足している点はなかったか」という省察が必要でしょう。

 「創造」の一歩手前に「改善」がありますが,単なる「改善」で終わってしまうようでは,さらなる成長は図れません。

 戦に負けた後に描かせたという徳川家康の肖像画。

 家康の創造力の源泉になっていたように思えてきます。

 「覚えよう!」ではなく,「(いつでも)思い出せるようにしよう!」と子どもに伝えることにも大きな意義が認められるかもしれません。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より