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不満のぶつけどころがない人の悲哀

 家族が一人もいない生活を送っている人が増えている。

 愚痴を言われないかわりに,自分も愚痴をこぼせない。

 厳しい言葉をかけられる心配がないのと同様に,優しい言葉をかけられることもない。

 ネットのように不満の「処理場」を持っている人は気を紛らわせることができるかもしれないが,

 「思い出」だけではやがて生きている実感を失いかねない。

 家族とは何だろうか。

 実は,家族がいるのに同じような境遇にある人も少なくないことを知っている。

 教育現場にいると,多くのことを知ることになる。

 子どもたちの心の健康は,学校だけで守れるものではない。

 学校は一時的な避難所として使えるところかもしれないが,

 学校の中の保健室にしか避難できない子どももいる。

 経済的な貧困だけが,子どもを蝕んでいるのではない。

 心の貧困の解消に,どれだけの大人が自覚的になれるかが,

 将来全く同じような境遇の子どもをつくってしまうかどうかの別れ道となる。

 自分の力不足を見苦しい他人批判で紛らわすような行動をとる大人をいろんな場で目にする。

 「恥」の文化が失われてしまったことが残念でならない。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より