アクティブ・ラーニングで培いたい力を最も強力に伸ばせるのは,「特別活動」であり,「教科学習」ではない
特別活動が充実している学校には,活気がある。
高校の教師なら,「行事」で生徒たちがどれだけ生き生きとするかを知っている。
中学校での「学校行事」における充実体験を,高校で自主的に発揮してくれる生徒が多いからである。
ただの「遊び」ではない。それなりに,苦労もある。調整能力も鍛えられる。
英語でのコミュニケーション能力はない生徒たちでも,自分たちが心の底からやりたいことを主張するときは,ものすごいエネルギーを発揮することができる。
そのような体験を通して「社会で生き抜く力」を育んだ人たちが,今の社会でも活躍しているのではないだろうか。
ただの「勉強秀才」でも,作文だけしていればよい行政なら生き抜くことができる。しかし,実社会ではそうはいかない。
教育委員会では使えても,学校現場の管理職としては使い物にならない人がいる理由など,学校の教師たちが一番よくわかっている。
アクティブ・ラーニングで鍛えたい力はこれだ,と主張している人たちの根拠を読むと,
「そんなことは日常生活でこそ鍛えるべきだ」と一般の方々も容易に気づくだろう。
勉強とそれを一緒にしようという考えほど,浅はかなものはない。
中学校の学校現場の教師たちには最大の武器がある。
「行事と自治活動」である。
残念ながら,小規模校には望みにくいことなのだが,クラスが4つくらいあれば何とかなる。
これから10行分くらい,守秘義務を犯せば,良い学校の学力がなぜ高いのかを説明することができるが,それはやめておく。
私の主張は単純なものである。
特別活動の授業時数を今の2倍に増やす。
これで生徒はアクティブに「慣れる」。
教科の授業では,安易に生徒が楽できる道を選ばない方がよい。
賢い人は,みんな「安易な道」など選択しない。
「賢い人を装う人」は,すぐに「安易な道」に飛びつこうとする。
アクティブ・ラーニングを教科学習で実施できる学校など,ほんの一握りである。
すべての学校の教育の「ためになる」基準を設けたいのであれば,
特別活動の時間を2倍にすべきである。
実質的にそうなっている学校の正体を知れば,みんな右へならえしたがるに違いない。
低学力の生徒たちでさえ,ちゃんと「ものになっている」からである。
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