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子どものまま中年化する若者たち(その2)~「すぐに役立つ答え」を求める傾向

 書評からは,若者=大学生が小学校から成長できていない人間像を想像させてくれる。

 大学の相談センターに寄せられる相談内容の質が,

 悩みの本質から,具体的ですぐに役立ちそうな答えを求める学生が増えているという。

 教師として恥ずかしいのは,そういうタイトルの本が平気で書店に並べられていることである。

 教師は採用されてから教育哲学の本を読む時間はないというが,

 こういう「すぐに役立つ本」には飛びついていく。

 「コスパ優先」という若者気質は,若者だけのものではない。

 自分の頭で考えて,実行するからこそ,自分の行動に責任が持てるようになる,

 と道徳では教えるはずだが,よくよくさかのぼれば,

 実体験も持たない教師が,「これでうまくいく!道徳教育」なんて本を読んで指導しているとしたら,

 本末転倒であり,子どもには何も伝わらないばかりか,日本独特の

 「オモテとウラ」の世界を目の当たりにさせることになる。

 「自分の頭でしっかりと考えて行動できる」人なしで,民主主義が成立するのかどうか。

 「答えが簡単に分かる方法を教えてくれる人」が教育現場でもてはやされる傾向が続くが,

 この逆風に耐えて,真に子どもを育てることができる学校が生き残っていかなければならない。

 私は目安として,「私立学校ではなく,東大合格者はそれほど多くないのに,『通わせたい学校』の上位にランキングしている学校」に注目すべきだと考える。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より