外からは見えにくい「グループ内『いじめ』」
支持者が多い,ある組織を思い浮かべていただきたい。
その組織のトップが,支持者が少ないある提案をしたとする。
支持者が少ないことは,組織内の人間でもわかる。
こういう状況の中で,どれくらいの人が,
「それはおかしいのではないか」という声を上げることができるのだろうか。
「組織のことを考えているのか」
「組織から抜けたいのか」
「組織内の混乱を招くようなことをなぜするのか」
いろいろな声が組織内からは聞こえてくると思われる。
逆に,組織の外から声をかけられたときは,どうするのか。
「本当にそれでいいと思っているのか」
・・・・はっきりと「はい」と言えるのか。
日本に限った話ではないかもしれないが,
様々な意見の人が集まっている場では,「個人の意見が尊重される」かのようなふるまいができても,
同じ意見の人が集まってできる組織のなかで,「個人の意見」は本当に尊重されているのだろうか。
『いじめ』には,とても見えにくいものがある。
いつも一緒に行動しているグループの中の『いじめ』は,特に見えにくい。
グループ内では,『いじめ』はないことにされる。
『いじめ』が実際に起こっていなかったときも,それは強力な「自己犠牲」「自己抑制」「自主規制」によるものかもしれない。
「自主規制」と呼ばれる行動が,真の意味で「自主的な行動」と言えるかどうかは,
一定の見識のある人間なら見破れるはずである。
政治の世界についても。
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