逃げて,逃げて,逃げまくる
『いじめ』への対処法として,「逃げて,逃げて,逃げまくる」ことを第一にすべきと主張する人もいる。
「逃げる」ことを潔しとしない,中途半端な心の強さが,『いじめ』を深刻化させていることを知っているからだろう。
『荒れた子ども』への対処法として,「逃げて,逃げて,逃げまくる」ことを信条にしている教師もいる。
何重もの柵で自分を囲み,「私のせいだ」と自分で思い込まないように,ありとあらゆる言い訳を用意しておく癖をつけて育った人間である。
『言い訳』ができる子どもたちは,ある意味で生きる強さを身にまとっていると言える。
『言い訳』ができる教師は,教育現場で「生き残れてしまう」。
必死に戦っている教師の『言い訳』を耳にしたことがあるだろうか。
病休に入った教師が,何か『言い訳』を残して去ったりしただろうか。
『言い訳』とは見苦しく,醜いものである。
『言い訳』をすることで敗北感を味わわないですむような姑息な人間を意思の強い人間は軽蔑するだろう。
人間にとって,意思の強さは最強の武器になるだろうか。
醜いものをすべて否定した場所からは,何が見えるのだろう。
鋼鉄のような意思ではなく,鞭のようにしなる柔軟な意思力を鍛えるにはどうしたらよいのだろう。
それはやはり自分で苦労するしかあるまい。
苦労できる環境に親がおいてくれるかどうか,
苦労できる環境を上司が提供してくれるかどうか,
苦労できる環境に自らの身をおこうとできるかどうか,
若いときの環境が人間の将来を左右するであろうことは,偉人伝を読むまでもなく,
わかりきったことなのだが・・・。
苦労の山場をどのタイミングに置くべきか。
徳川家康が残した言葉が,重くのしかかってくる。
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