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教師のメンタルの強さは厳しい環境の中で育まれる

 子どもが言うことをきかなかったり,親が騒いだりすると,

 とたんに精神的ダメージを受けて「登校拒否」になってしまう教員がいる。

 自分は親の言うことを聞く子ども時代を過ごしたし,

 真面目な子どもだから親が逆上しているところなど見たこともないといった教師が増えているのかもしれない。

 いい大人が激怒している姿を間近で見る経験など,ほとんどの人にはなくなっているのだろう。

 私の場合は父親,近所のおやじ,小学校や中学校,高校の教師,中学校の部活動のコーチなどの激怒場面に遭遇しているから,

 「そのときどうすればよいか」

 「そのあとどうすればよいか」

 などという対処法を自然に身につけることができた。

 余談だが,私と接したことがある子どもたちは,幸いにも,「そういう場面」を経験することができているから,

 大人になっても慌てる必要なないだろう。

 「そういう場面」に遭遇した経験がない教師たちに,マニュアルで対処法を学べ,というのは無理な相談だろう。

 やはり実際に「それ」を経験してもらうのが一番である。

 とりあえずアドバイスできる「対処法」は,そういう場面を

 「哀しい表情で耐える」ことである。

 決して笑ってはならないし,避けようとしてもいけない。

 火に油を注ぐようなものである。

 また,謝ってはならない。その点については別の機会に説明する。

 人によっては無尽蔵かと思われるような燃料が体内に蓄積されており,

 長時間,激怒が持続できる人がいるが,

 その間は,哀しい表情を浮かべながら,エネルギーの源泉がどこにあるのかを想像しているとよい。

 その人を襲ってきた不幸に思いを巡らせ,同情できるような境地に立つことができれば,

 「怒鳴り込み場面」に出会っても冷静に対処することができるようになる。

 メンタルが強いつもりでいる人間の中には,相手の欠点をあげつらい,しまいには「頭がおかしい」などと言い出すような者がいる。

 逆ギレはメンタルが弱い人間のすることである。

 攻撃は最大の防御,などという戦略を,不適切な場面で使ってしまう人間がいる。

 そうすると「激怒」ではすまなくなり,

 相手を逆に冷静にさせてしまい,本当の意味で学校が「負ける」結果となる。

 学校の中にいる「黙っておかせるべき人間」をきちんと洗い出しておくことも,

 管理職などにとってはリスクマネジメントの重要な要素である。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より