環境が人を変え,育てていく
何をもって幸と不幸を分けるかは人それぞれの基準があってかまわないだろうが,
「おかしなことを言うお前は頭がおかしい」と子どもに言ってきかせ続ける親がいたらどうだろう。
「おかしなことを言うお前は,すぐに教員をやめろ」と上から目線でモノを言う同僚の教員がいたらどうだろう。
教育とは,だれが何のために行うのか。
教師教育という分野は,だれを対象としているのか。
人は,だれと一緒にいるかということが,将来を左右されるような存在である,
ということに気づく経験ができる人はどのくらいいるだろう。
「あの上司でなければ・・・」という悔恨の念をもって会社をやめた人はどのくらいいるだろう。
校長に恨みを抱きながら現場を去っていく教員も少なくない。
逆に,今の自分があるのは,~さんのおかげ,と感謝する相手がたくさんいる教師というのは強い。
~さんたちの教えを生かす,とか,~さんに恥じないことをしよう,とかいうように,
ただ「子どものため」という単純な理由で仕事をしない教師でいられる。
そういうすばらしい同僚や先輩に恵まれなかったであろう人の言葉は無残である。
残念な指導力不足教員たちのまわりに,少しでも理解力・包容力・粘り強さのある教員がいてくれたら,ここまでひどいことにはならなかっただろう,と思われる事例は少なくないはずである。
また,どんなに自分勝手な行動を指導力不足教員がとろうとも,学校というところはある程度のカバーができる場所であるはずである。
しかし,残念ながら,それが難しい場所が一つだけある。それは小学校である。
小中高の公立学校の中でも,これから若い教師の割合が急激に増えていく小学校。
小学校教師にとって手強い相手は子どもだけでない。
くれぐれも,親を相手にしてつぶれていきそうな若い教師を学校は全力でフォローしてあげてほしい。
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