ジャーナリストの命は「取材」にあり~池上彰さんのこだわり
池上彰さんの「高校野球史解説」で,インタビュー内容紹介の時間枠をポカで使い果たしてしまって放映ができなかったために,取材相手に対する謝罪が行われたのか,という予想を記事にしたわけですが,
ふり返って考えると,これは池上さんの「仕事への向き合い方」を番組スタッフはもちろん,視聴者にも(取材相手にはもちろんですが)伝えようとした行為だったのでは,というのが頭に浮かんだイメージでした。
私自身,新聞記者に取材をされた経験がありますが,私の口から発したことはほとんど書かれず,言ってもいないことが大きな文字で示されていました。そのとき,新聞は,記者が書きたいことを書くメディアだ,というだれかの話を思い出しました。
新聞に限らず,テレビ番組でも,取材された内容がすべてオモテに出されるとは限りません。
多くの良質なニュースが「お蔵入り」しています。
特に,大きな事件が起こって世間の注目が集まってしまっているときなどは,
そちらの記事を埋めるために紙面が無駄遣いされてしまう。
どこの会社の記事を読んでも同じような内容でも,読者はそれを期待してしまう。
そんなことが頭をよぎりながら,実は池上さんはポカをしたわけではなくて,・・・・
事前の打ち合わせで尺が足りずに削除されたVTRであることは分かっていたのに,
実際には自分がポカをしたことにして,
「取材内容が放映できなくて申し訳ない」という態度を示したのではないか,
と思えてきたのです。
実際には,GHQの人からボールを渡された方は,どんな印象を抱いたのか,
聞いてみたかった話でした。
まさか,その内容が書かれた本がまもなく出版される,なんてことになっていたら・・・・
そういう「惹きつけ方」もなしではないような気もしますが・・・。
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