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教師の「子どもへの接し方」を見習った子どもの「教師への接し方」

 学級づくりに悩む教師は少なくないのだろう。

 そういう教師向けの本がたくさんある。

 これらの本に書いてある通りの教育を受けた子どもなのだなあというのが,よくわかってしまう出来事がときどき起こる。

 結局は,「自分をよく見せたい」という自己顕示欲の塊のような人間ができあがっていることが興味深い。

 そういう本を読んでいる教師が考えていることと,全く同じようなことを子どもがしている。

 子どもは,教師にそっくりになっていくのである。

 だから,学級づくりに関係する本は,よほど精選して読んだ方がよい。

 小手先の技でできるようなことばかり書いてある本だけを読んでいるような教師は,

 「子どもに気に入られたい教師」というのがみえみえになる。

 とてもみっともないことである。気の毒なのは子どもで,みっともない先生そっくりの生徒になっている。

 「しかけ」も時と場合によれば,効果を発揮するが,偶然を装って決まり文句を言う臭さを,

 子どもは簡単に見抜く。優れた子どもの心は,教師から離れていくだろう。

 教師そっくりになっていくのは,たいてい自分の考えを持たず,周囲に流されていくたよりない子どもたちばかりである。

 どこかに「秘するが花」の美徳を教えてくれる先生はいないだろうか。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より