最も「教育」が必要なのが「教員」であるということの哀しさ
指導主事としてかかわった経験がある研修のうち,初任者研修,10年経験者研修というのは,基本的に「やるべきこと」が決まっているので内容的なおもしろみは欠けるものの,人としてのかかわりはそれなりに深くなるので「熱意」も傾けられます。
それに対して,「かたちだけのために行われる」研修も少なくなく,うまく内容を調整しないと,管理職研修や教務主任研修,生活指導主任研修,道徳主任,進路指導主任などの研修は本当につまらないものになります。
これだけたくさん研修を実施しても,なかなか力量が上がっていかない,かかった時間に見合う成果が出せない,積み残しの問題が増えてばかりいる,などという悩みはなくなりません。
研修とは,むしろ「何が課題か」を明確に自覚するための時間だと考えれば,少しは気が楽になるかもしれません。
犯罪行為に限らず,教員の起こす問題は多岐にわたっており,市民の方々からは
「教員の教育をしっかりやれ!」というお叱りの声が多く寄せられます。
私が勤務した2番目の学校では,校長先生がこの「教育」にそれなりに熱心でした。
飲み屋に行けと,明らかに教員が管理職の愚痴を言っている場面に出くわすことがあります。
親と同じような意味で,「ほっといてほしいのに・・・」というタイプの愚痴を言われる管理職はまだましかもしれません。
年配の先生に対しても,叱責することができる管理職は貴重です。
「教員への教育」ができている学校か,そうでない学校かは,以前から書いていますが,
夕方の時間に電話をかけてみるとよくわかります。
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