学校が失ってはならない大きな役割
児童生徒が人とどのようなかかわり方ができるようになるかは,学校生活の中でどのような場を用意するかで決まってくる面があります。
予定外ではあっても想定内であるのは突発的な「生活指導」の場面です。
社会生活や会社での仕事がうまくいかないという人のうち,「学校ではよい生活ができていた」人はどのくらいの割合でいるのでしょう。
私は生活面での経験不足,失敗のトラウマを抱えた人が,社会生活でもそれを引きずっている傾向があるのではないかと考えています。
学習面にかなりの焦点があてられてしまっていて,高校などは大学進学実績で左右されるかのように見えていますが,受験のための学力は高校に通わなくても,「一人」でつけられてしまうという面が強い力です。
むしろ焦点をあてるべきなのが,「学校でなければできない経験」「集団生活の中で自分なりの居場所だったり役割だったりを見いだせる経験」がしっかりできているかどうかではないか,と多くの教師も考えているのではないでしょうか。
校種が上がるごとに,その意識が薄らいでいってしまうのが今の学校の現状のように思います。
日比谷高校をはじめとした学校が,「かつての伝統校らしい姿」を失っているという「内部の声」を耳にしたことがあります。
原因は,「生き生きとした学校生活を送りたい」と願う生徒たちへの教師の「無関心」にあるのではないでしょうか。
「無責任」というのは少し違います。
「関心」の向く先が,偏りすぎている・・・・・そもそもそういう「関心」しかなかった人,もてない人が,教師になっているのではないか,というのが私の心配事です。
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