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嫌いな人の真実よりも,好きな人の嘘がいい

 ハンナ・アーレントの名言とされている言葉である。

 学校の教師にとっては,何よりも子どもを好きになることが大切。

 問題行動を繰り返し,「言うことをきかない」子どもほど,

 教師は「好きになる努力」を怠ってはならない。

 教師に嫌われた子どもは救われない。

 教師が心しておくべきもう一つのことは何か。

 子どもに好かれようとしないことである。

 子どもに嫌われることを厭わないことである。

 子どもたちは,学校ではもちろん,家庭でも大人たちの

 「真実」と「嘘」,「本音」と「建前」のはざまで迷いながら成長している。

 人に好かれようと嘘をついたり,ごまかしたり,仮面をかぶったりする大人を見て育つと,

 いつか自分もそんな大人になってしまう。

 「好かれる」「嫌われる」ことに,関心をもたない大人に接することができる子どもは幸せである。

 「平凡な人間がおかす悪」へ鋭いまなざしを向けていたアーレント。

 「姑息な大人」の醜い姿を子どもに見せない強さがほしい。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より