「14万枚の男」の勤勉性
「金めあて」の次は・・・
今度は横浜市の元校長である。
「14万枚の男」と呼ばせてもらおう。
とても几帳面な人物であったことが報道からうかがわれる。
教科は何だったのだろうか,というのが私の関心である。
容疑者とほぼ同じ頃に,マニラの日本人学校に赴任していた教員と知り合いなのだが,
勤務校のこの先生あてに,何度も国際電話がかかってきて,私がたどたどしい英語で「今はいません」と応対したのを覚えている。
どういう「知り合い」だったのかは詮索しなかったが,「独身男性は日本人学校に派遣されにくい」と誰かが言っていた理由がわかった気がした。
よく「学校の教師は忙しくて時間がない」などというが,
勤勉な日本人にとっての「忙しさ」には,さまざまな質のものがあることは教師になってみればよくわかる。
子どものことを心配している親に対して,電話して報告しなくてもよいことを,わざわざ伝える親切な先生もいる。
「忙しい」のに,電話するのはなぜか。
電話するから「忙しい」わけではない。
さて,とどまるところを知らぬ教育界の問題に,指をくわえているだけでいるわけにはいかない人たちがいる。
税金が適正に使われているかを調べるために,税金を使って調査するしくみがつくられる。
今後,校長の「業務報告」を日課とする教育委員会も出てくるのではないか。
LINEを使って,区市町村内のすべての校長が,お互いの業務報告を読み合う。
監視社会を招き入れようとしている不適格教員たちの「暴れっぷり」を,現場の教師としてはどこで抑えられるのか。
「危機管理」の「危機管理」が必要性が高い公立学校というのは,果たして「教育の場」としてふさわしいのだろうか。
「子どもに注意できない」というより,「人間として注意する資格のない」人間が人間の管理をしている場で,いったい何が教えられるというのだろうか。
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