「伝達型の授業」はよくないと語る人たちが行っている「伝達型の授業」
アクティブ・ラーニングとはどのようなものか,じっと映像を見て学んで実践に移すという教師たち。
なぜ子どもたちは,その教師と同じような「学び方」をしてはならないと言われるのか?
結局のところ,『学び合い』や『協働学習』の理念のウラには,
「子どもたちは教師たちが語る授業を主体的には受けられない」という「子ども=低能力」観と,
「教師は子どもが主体的に『聴く』授業をする力がない」という「教師=低能力」観
の2つが隠されているものと思われる。
ただ情報を伝達されているだけに見える子どもたちであっても,その頭のなかでは,もちろん個人差はあるが多くの「思考」がはたらいているはずである。
本来は,その「思考」の過程や結果をさまざまなかたちで表現させ,それらをグループなどで検証させ,最後に個人で振り返らせる,そのような「学習過程」をコントロールするのが教師の役割である。
この「思考」の段階を十分に経ずに,よくわかっていない他の生徒から多くの情報が垂れ流される状態を放置することが,教師の役割であるとは思えない。
よほど周到に練られた教材と,課題によってでなければ,グループ学習の形態で成果を出すのは困難であろう。
子ども同士でプリントの穴埋めをせっせと行っているような学習を「主体的な学び」などとは呼べないことを,教師ならわからないはずはない。
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