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小学校学習指導要領実施状況調査の報道発表

 約2年がかりで分析が行われた「全国学力調査」の「全教科版(6年生が体育以外すべて)」の結果が公表されている。

 実施時期は2年前の2~3月にかけてであるから,当時の小学校6年生はすでに中学校2年生になっている。

 調査は全学校の約4%を対象としたから,ほとんどの子どもは問題を解いていない。

 統計的に十分な数のサンプルが集まっているという前提で分析は行われている。

 平成20年の学習指導要領の改訂での基本方針にあげられた,
 
 「思考力・判断力・表現力等の育成」などがどの程度行われたかを調査するための問題だったので,

 いわゆる「一問一答式」の問題ではないため,子どもたちは「すべてが応用問題」のように感じただろう。

 この調査結果は,もう改訂に入ろうとしている次の学習指導要領の基本方針に反映されることになる。

 社会科では,次の4つの「指導上の改善点」が掲げられた。

1 情報を基にして社会的事象の意味を考え表現できるようにする指導の充実

2 基礎的な知識や技能を確実に身に付けるようにする指導の充実

3 問題解決の見通しをもったり学習したことを振り返ったりする指導の充実

4 よりよい社会の形成に参画する資質や能力の基礎を育てる指導の充実

 それぞれに,2~3点の「重要なこと」が示されている。

 子ども向けの質問紙調査では,平成15年度の調査と比べて,

 「社会科の学習が好きだ」という質問では

 「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた6年生が

 56.9%から63.2%に増えている。5年生では微増といった感じ。

 他教科では,理科の学習が好きという子どもが増えているのが目立つ。

 逆に,算数に関しては,5,6年生ともに,「好きだ」と答えている子どもは減っている。

 「好き」「嫌い」を問うものほど意味がなく,むしろ害の方が大きい質問はないと思っているが,
 
 きっとこの結果を踏まえて「好きにさせることを目標にする指導」に力を入れることになるのだろう。

 「好き・嫌いにかかわらずに,学ぶべきことを自ら学ぶ子ども」をつくる教育は,小学校では無理なのだろうか。

 小学校の教師がいろいろと教材を工夫して「楽しめる」ようにがんばっている授業などには参加せずに,

 「もっと面白いことがたくさん書いてある参考書」をひたすら読みまくる受験生がいたりするのが邪魔であろうことは想像できるが,

 「好き」「楽しい」という「感情」には,非常に様々な「レベル」が存在することに気づき,その分類を真剣に考えてくれる人はいないだろうか。

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    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
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