どうしたら,生徒に好かれる先生になれますか?
こういう質問を教員に対してするのは難しいようですし,「好かれていなさそうな」教員に聞くこともできないので,ネット上にヒントがないか探している人がいるようです。
ココログではアクセス解析というのがあって,たとえば今週では,世界史の出題ミスの影響からか,このブログに3つの大学からのアクセスがあったことがわかります(大学名は公表しませんが)。
「検索キーワードランキング」もあって,今月ですと「指導主事」が上位にあり,「入試 インフルエンザ」も10位以内に入っています。
記事をつくる上での参考にするために「検索キーワード」をときどき確認するのですが,どうやら「子どもに好かれる方法」を知りたくて,このブログを訪問してくださる方がいるようです。
「生徒に好かれる」かどうかは何で決まるのでしょうか。
アンケート調査の結果では,「先生が好きになる条件」として,
「授業がわかりやすい」ことがトップに挙がります。
これは,「教師として」好かれる上では絶対的に必要な条件だと思われますが,
「授業はわかりやすい」とは思われなくても,「人として」好かれているようなタイプの教師もたくさんいるわけです。部活動のめんどうを一生懸命みてくれるとか。相談事を親身になって聞いてくれるとか。
大切なのは自問自答です。
「自分は,どのような理由で生徒から好かれる教師になりたいのか?」
自分が理想とする教師像とは何か。
その「理想像」が,「子どもから好かれる」という漠然としたものではいけないのですね。
「どういう理由で好かれたいのか?」
こういう問いを自らに発することができることが,教師としては大事なのではないでしょうか。
ある一定の経験を経ると,
子どもから「好かれる」「嫌われる」などはあまり気にならなくなります。
要は,子どもがどれだけ成長できるかが大切なわけで,
「嫌いな教師を無理に好きにさせる」必要はないわけです。
「好き」「嫌い」にこだわる人は,きっと小学校の教師の多いのでしょう。
特に,同じ学年に「人気のある先生」がいて,自分が担任するクラスが問題ばかり起こしていると,どんどん気が滅入るばかりかもしれませんね。
親が自分に聞こえるように「今年はハズレね」なんて言ってくる1年間はとてもつらいものでしょう。
しかし,教師の自分には「ハズレ」はないのです。
むしろ,自分に期待していない子どもを教えられるというのは,大きなチャンスです。
「先生が好きだから勉強が好きになった」というかたちではなく,
「勉強がわかるから勉強が好きになる」と経験をさせることができる1年間だからです。
教師の仕事は子どもから「好かれる」ことではなく,子どもを成長させることです。
「好かれる」かどうかは後回しにして,子どもを成長させることに全力を注ぐべきです・・・・・
なんていう話しか,このブログでは読めなさそうですね・・・・。
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