子どもを置き去りにした授業研究はやめよう
小学校教師向けの「ノウハウ本」を読むと,これはあくまでも
「教師のための本」であって,「子どもの教育のための本」ではないなという実感を強くもつものが多かった。
板書をどのように構成し,いつどこでどの発問をするかを指南しているような本は,実際にどのくらい役に立っているのだろうか。
こういう本の弊害を私は何度も目にしてきた。
「指導案」どおりに無理に進めるという,「教師本位」の授業である。
「指導案」はあくまでも「指導案」である。
子どもの学習の進度によって,いくらでも授業は変えなければならない。
しかし,「説明しきること」「終わらせること」を優先して,子どもが置き去りになっていく授業は少なくない。
ごくごく薄い教科書で学ぶ小学校ですら,こういう事態が起こっている。
さらに残念なことに,研究協議でも,どうでもいいことが議論されることがある。
授業は,ぜひとも子どものためのものであってほしい。
子どもがどう学んだかをもっと協議のテーマにしてほしい。
授業で子どもが置き去りになり,研究協議でも子どもが忘れ去られてしまっていることはないか。
教師の指導力を映す鏡はどこにあるか,考えてほしい。
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