下村博文文部科学大臣は学習指導要領解説を読んだことがありますか?
大学入試の抜本的な改革は,大いに進めるべきである。
それは,決して不可能ではないはずである。
東京大学や一橋大学などの入試問題を参考にすればよい。
良問に限り,入試問題として認めるという措置を講じれば,高校の授業は変わっていく。
問題に感じるのは,「高校以下の学習指導要領の抜本的な改革,改訂」という趣旨の発言をしていることである。
大臣は,学習指導要領の解説をお読みになったことはあるだろうか。
お読みになって,その内容を理解することは可能だろうか。
今,教育現場で何が問題になっているかというと,
学習指導要領に示された目標なり内容なりが,よく理解できていないで教育現場に立っている教師がいる(これまでもたくさんいた)ことである。
教育現場に立つ前に,だれがその目標や内容の理解を促すことができるのか。
大学の教員である。
しかし,残念ながら,教員免許を持っていない大学の教員に,学習指導要領が示す目標や内容が理解できていない人間がいる。
私が免許更新講習を受けた大学教員は,誤った説明をしていたから,学生にも指導できていない大学教員が多いことは間違いないだろう。
やるべきことができていない現状で,「抜本的な改革をする」というのは,
「もはや教員をめざす大学生に,学習指導要領の趣旨を理解するのは不可能で,大学の教員にもそれを教える資格がないから」という理由からだろうか。
もちろんそうではないだろう。それでは「何をどう改革してもだめなものはだめ」なだけである。
学習指導要領が求めているものは何か。
なぜそれが,だめなのか。
その説明責任を果たせないで,「変える」と発言する人は大臣として適格だろうか。
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