本物の指揮者と同じ感動を教育者にも
結局のところ,「俺はすごいんだぞ」と言いたいだけの人の文章によく使われる言葉がある。
「自慢をするわけではないが」・・・・自慢したいだけである。それ以外のどんな理由があってわざわざ文章を公開する必要があるのか。
3年前の記事だが,指揮者の内藤彰さんのオフィシャルブログに,横浜アリーナでの「感動」逸話が紹介されている。
>しかもちゃんと曲も伴奏も合いの手も皆頭に入っているのでしょう、2万人近い大観衆がぴったり合わせてリズム通り変化させて振っている。
>(水樹)奈々さんが動いていない時も観客同士でぴったり合った振付のように)動かしたりジャンプしたり、指揮者も振付師もいないのに、なぜあんなに揃って!? れいの棒の振り方もなぜあんなに合うのか!
>私としては自分のオケがやっているのだから、その責任者として顔を出さなくってはという、多少の義務感と、この種のコンサートのことも勉強しておかなくってはという向上心(笑)?もあって行ったのですが、イヤ~勉強させていただきました。
だれも「統率している人間」はいない。
しかし,「統率がとれている集団」。
これが教育者が求めている人間集団の姿であろう。
教師がいなければ始まらない「指示待ち人間」がどうやって生まれてきたのか。
それは子どもの自主性を踏みにじってきた教員たちの傲慢さによるものである。
自分たちが心の底から好きで楽しみたいと思っていることについては,自然と「統率がとれていく」のが人間の姿なのである。
本物の指揮者は,こういう点に感動するのだが,教師も同じであることを望みたい。
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