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ブログでの泥仕合と炎上商法

 泥仕合には,「本当の勝利」はない。

 結局,失う物をたくさん持っていた方が負ける。

 失う物がない者だからこそ,

 泥仕合に持ち込むメリットがあるのである。

 双方とも泥仕合で狙っているメリットが

 あるとすれば,「知名度が上がる」という

 ことである。

 ブログでは,「アクセス数が増える」ということ

 である。

 10月20日に行われた橋下市長と在特会会長の

 「公開討論」は,結局,多くのメディアによって

 黙殺されたために,「注目を集める」という

 ねらいは十分に達成されなかったことになる。

 小田嶋隆のコラム(日経ビジネス)では,

 「橋下市長の失敗」の原因が書かれている。

>話を聞かない人間を論破することは不可能

 罵倒合戦に終わった「公開討論」について,

 子どもたちの多くは「民主主義の危うさ」を

 感じてしまったのではなかろうか,

 というのが私の不安である。

 
 炎上商法というものがあるようだが,

 ごくわずかな期間の注目やもうけを最大化

 するために,多くの犠牲を払うのは,

 長期的に考えれば最も非効率的な方法

 ではなかろうか。

 
 しかし,時代は,「今だけが大事」といった

 価値観を肯定する方向にどんどん流れて

 しまっている気がしないでもない。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より