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「評定を甘くしろ」と指示する管理職

 研修で学校にみえていた教師から,こんな相談を受けた。

 「自分がしっかりとしたデータに基づいて評価・評定を出したら,

 もっと5を増やせと言われた。」

 こういう学校がたくさんあることを私は望んでいる。

 なぜなら,教師がまともで,管理職がダメな方が,

 管理職がまともで,教師がダメな学校よりも,生徒にとってはよいからである。

 もし,「もっと5を増やせ」などという命令を受けないように,

 あらかじめ評価を甘くしておく,なんていう教師が多いようであれば,

 もはや中学校の評価・評定システムというのはまともに機能していないことが

 明らかになってしまう。

 まだ,管理職に注意を受けるほど,

 「厳しい」・・・ということは,たいてい「妥当な」評価を下しているものと考えられるからである。

 親の苦情を真に受ける校長は,

 「苦情がこない評定」を望む。

 それはつまり,「甘い評定」のことである。

 文部科学省の管轄では,こういうシステムの大疾患に対する

 治療は無理なのであろう。

 第三者機関が必要である。

 誤っていることを,「正しいということにして」放置するのは,

 波風を立たせないことを旨とする「道徳」の社会の話である。

 誤っていることを,「誤りです」と言える立場の人間はだれだろう。

 実はそれは,現場の教師しかいないのである。

 あるいは自分自身も含めて,仲間が誤っていることをしていることを

 証明するような仕事が仕事として成立するのだろうか。

 これが成立できる条件を整えてくれる人はこの国にいないのか。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より