人数が多い活気のある集団と,人数が少ない活気の乏しい集団のどちらで学びたいか?
財務省が小1の40人学級復活を文科省に提案する。
この提案を文科省は受け入れるべきである。
実現すると90億円の歳出抑制になるらしい。
あなたは,優秀な教員がそろっている学校に,子どもが
「定員オーバーで入れません」と言われたら,どんな気持ちがするだろうか。
入学できる子どもがいる一方で,入学できない子どもがいる。
定員が減らされたということは,入学できる子どもが減らされた,ということである。
特にいい評判も悪い評判も聞こえてこないある学校に通わせることになった。
学級数が少なく,クラスの生徒数も少ない。
きめの細かい指導が期待できる,なんて本気で考えるだろうか。
子どもを入れたい学校に入りにくくする政策が,
35人学級というしくみだと言えなくもない。
40人学級の復活も大事だが,もっと大切なことは,
学校規模の最低基準を守ることである。
財務省によれば,小中ともに1校あたりの規模を最低でも12学級とする
現行の統廃合の基準を単純に適用すれば,
全国で小中学校を5400校あまり,減らせるとのことである。
この基準を,各自治体はできるだけ守るべきである。
守った自治体には,浮いた分のお金を補助金として1年間だけ配分
するのもいいだろう。その後,どれくらいの歳出が削減できるか,
10年くらいのスパンで試算してみてほしい。
1学年1クラスの学校に子どもを通わせている方には複雑な思いも
あるだろうが,もしその中学校に3クラスあったら,どうだろう。
クラス替えもできる。運動会で競い合える。合唱コンクールで磨き合える。
教育効果という面にもっと目を向けて,不便を克服できるようにお願いしたい。
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