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ダビデとゴリアテ ~学力向上策を見直そう~

 イスラエルの人や世界史に詳しい人は,

 ダビデとゴリアテと言えば,何のことかご存じなのでしょうが,

 「ありえない勝利の話」として有名なものです。

 「史上最も有名な決闘」としても知られています。

 日本で言えば「桶狭間の戦い」とか「日露戦争」がそれにあたるのかも

 しれません。

 この話から私が連想したことは,

 「全国学力調査」の結果を受けての各自治体やら学校やらの反応です。

 それぞれ,「逆転」をねらって,「攻め」に転じているといった様相ですが,

 どの自治体も,真正面からの「攻撃」ばかりで,こんな皮肉は失礼かもしれませんが,

 玉砕覚悟の特攻みたいなものです。

 なぜなら,「失敗」に終わった暁に,「戦犯扱い」されるのが,

 教師と子どもという,教育現場の中心にいる人間だけだからです。

 ダビデは,ゴリアテが望んだ一騎打ちに向かいますが,

 ゴリアテが想定した接近戦をしようとは思わず,小石で倒し,

 相手の剣で首を落としたのです。

 学力を向上させるため,学校がすぐに取り組むことは目に見えています。

 それは,華奢な小学生の体に重たい鎧を着せるのと同じ行為になってはいないか。

 小学生に合った武器を探す努力をしているか。

 「必ずしも,剣や槍で戦う必要はない」というダビデのような判断力を発揮できる大人

 はいませんか。

 「答を教えてくれ」とすぐにせがんでくるような思考力のない人間しかいない自治体に,

 未来はありません。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より