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最後の砦を守る人たちが重視する「表現の自由」

 言論の自由を封じているのは,国ではなく,報道機関であることがニュースになっている。

 他人にとって都合の悪い事実は報道する一方,

 自分にとって都合の悪いことについてはふれないという姿勢。

 表現の自由を条件に記事を書いてもらっていた人を裏切る行為。

 新聞社を成り立たせているのは,記者であり,記事を投稿してくれる人たちである。

 もちろん,印刷所の人や販売員,営業の人も大切だが,

 何を売っているのかといえば「情報」である。

 「だれが言っていることを載せるか」の判断は,編集の権限を持っている人が決めるのだろうが,

 「連載記事の内容が自分の会社にとってまずい」からといって掲載を拒否するという判断は,

 それ自体があまりにも大きな企業としてのダメージになるはずである。

 この件は,「表現の自由」「言論の自由」を考えていくための重要な教材になる。

 NIE教育に力を入れている人にとっては,格好の題材だろう。

 この新聞社は,社員によるソーシャルメディア活用を積極的にすすめているそうである。

 その社員が,「表現の自由を守る」ための発言をしているが,

 それはイコール「会社を守る」ための発言でもある。

 ツイートには,「査定に響かないように」というコメントも見られるようだが,

 「会社を守る」ための行動は,間違いなく「プラスの査定」に結びつくものだと思われる。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より