沖縄県民がスコットランド独立の住民投票から学べること
スコットランドの住民投票の結果がまもなくわかる。
中学校の文化祭で,学級ごとに参加することになっている場合,
劇をやるか,展示にするかでもめることがある。多数決をとった結果,
21対19という結果になったとする。19票の側の生徒たちが,
すんなりと結果を受け入れ,頭を切り換えることができるかどうかは,
リーダーの力量次第である。
国が独立する,なんていう結果になるとしたら,
こんな例どころではない対応がリーダーには求められるだろう。
さて,スコットランドのニュースにふれることで,
想像力のある人は,「沖縄」のことが気になるはずである。
実際に,いくつかのニュースが報道されている。
沖縄県の中学校の社会科の授業では,どのような「ふれ方」をするのだろう。
沖縄県民に「独立」を求める強い動きはなくても,基地問題という
「政府への反対」「住民の意思の重視」を訴えるための材料がある。
スコットランドでの結果がどうなろうと,
住民投票自体のインパクトは世界に波及することが予想される。
「主権国家」のイメージが何となく漠然としたものだったのが,
それなりの輪郭をもって現れてくるのではないか。
沖縄県民には,「日本」という国のイメージと完全に重なり合わない
「琉球の民」という感覚がどのくらいあるのだろうか。
歴史上で,「独立」を求めた人々のエネルギーの強さはなかなか想像できない。
歴史の授業は,幕末から明治にかけての「独立を守る」ためのエネルギーも,
なかなか授業で伝えきれないもどかしさがある。
生まれたときからそれなりに落ち着いた「国」があった私たちに,
「国とは何か」を積極的に問おうとする動機はなかなか生まれにくいものだと思う。
今回の住民投票は,スコットランド議会第1党の党首とイギリスのキャメロン首相の合意に基づいて実施される。
日本の憲法には,分離独立に関する規定がない。
同じレベルで語ることはできないが,
少なくとも,沖縄・・・・琉球が独立国であったことだけは確認しておきたいところである。
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