「ノリ」よりも「間」の大切さを教えてあげよう
人はだまっているとき,必死に頭をはたらかせている。
そういう感覚が乏しいように思えるのが
小学校の授業と
テレビ番組
です。
皮肉なことに,ある有名な小学校の教師は,テレビのクイズ番組の問題をつくって提供していました。
茂木健一郎が『未来を変える議論をしよう』(ポプラ社)で書いていることですが,
テレビというのは,
ある人が質問を投げかけたのに対し,
出演者がだまってしまうような場面はみんなカットしてしまうといいます。
ノリやテンポを大事にするからです。
ですから,テレビを見ていると,
10秒ぐらい,うーん,と考えているような場面は絶対に出てきません。
「放送事故」扱いになってしまいます。
たった10秒ですよ。
しかし,10秒なんて,「人がだまるにしては,異常な長さだ」と感じてしまうのは,
テレビ番組を見ている人と,小学校の授業を見ている人ではないですか。
ノリばかりが重視され,「間」が重視されない社会では,
「思考力」なんて育ちません。
人は,話をしているときの方が,話すことに脳が支配されてしまい,ほかのことをしないと言います。
じっと考えるような時間,
それ(「間」)を楽しむ文化が,相撲や野球をはじめ,スポーツ観戦の場でもあったはずです。
小学生にも,もっとだまらせる時間を増やしてあげたいものです。
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