「鉄人」に学んだこと~基礎・基本といっても,「答はこれしかない」という「知識・技能」はない
世の中では,「基礎・基本」に関する固定観念が強烈である。
特に「年寄り世代」から,それは「基本にのっとっていないからダメだ」みたいな発言が出される。
昔,プロ野球で「鉄人」と呼ばれていた選手から,
こんな話を聞いたことがある。
コーチによって,若い選手はダメにされるケースが多い。
自分もそうだった。
基本はこっちだ。おまえのやり方じゃない。
基礎ができてない。なんていう言い方で批判される。
教科書に出ているようなことが,できてないじゃないか。・・・・・
結果,フォームはくずれ,打てる球も打てなくなる。
イチロー選手も,似たような経験をしたようだが,
みんな,「結果」で自分なりの方法で「基礎・基本」の正しさを示したのである。
「~できないのは,~だからだ」といのが,
テクニカル的に当たっている場合ももちろんあるだろうが,
そこで禁止してしまうことが,他の能力も消すことに,人間はもっと敏感になるべきだろう。
特に小学校では,もっと伸び伸び教育をしてほしい。
できない理由を探しても,実りはない。
教師も自分のどこが課題かを考える。「基本的な技」が身についていないことを知る。
そして,それが身についている人の授業を見る。真似をする。できない。
自分の教育スタイルをそのまま,自分にあてはめてやってみて,ダメだということが
明らかになっているという事実に気づけない。
「信仰」することになった特定の「技」なり「型」に子どもをはめこんで,結果,
「活用力」のない子どもとして中学校に送り込まされてくる。
基礎・基本のなかで最も重要なのは,
「自分なりの力の尽くし方」を知っているということである。
それを教えるために,1人で40人をまる1日めんどうみるのだ。
中学校との最大の違いである。
個性に応じた教育がしやすい。
それなのに,個性的ではない,型にはまった授業に魅力を感じてしまう。
考え方の「基礎・基本」ができていない,最も典型的な例である。
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