自分の利益を優先させる人が増えることの意味
過去に滅び去った国々では,滅びる前に,
「自分の利益ばかり考えている人間が増えた」ことへの危機感を訴えた人がいたといいます。
滅んだ後も,「確かにそういう人間によって,国は滅ぼされたのかもしれない」という実感をもっていたようです。
国の危機が間近にせまったとき,
「自分の利益を優先させる人」が非難され,たとえば
とめどもない増税が続いたり,徴兵制が復活したりという問題が生まれそうだと危惧している人もいる。
個人を優先するか,国家を優先するか,
綱引きが始まったとき,多くの人は,「個人が勝つ」と思っているに違いありません。
そのための「民主主義」が存在すると,安心しているのかもしれない。
しかし,「多くの個人が負けた後」になって,改めて「個人か国家か」を問われたらどうか。
そもそも,自分の利益を優先させるようになっていること自体が,
「国家が終わり始めている」ことの証ではないか,と見ることもできます。
現状で何とかしておきたいのは,
公務員による自己利益優先主義に見える動きです。
それが実際には国や国民の利益にかなっているのであれば,そうとわかるような説明がほしい。
透明性が足りないと,どうしても「だれか特定の個人が得をしているのではないか」という疑心暗鬼が起こるのです。
公的な立場の人間すらそうなのだから,自分は堂々と自分優先でやっていける,
などという価値観が一般化するのがおそろしいことです。
ユダヤ人にように,国が滅ぼされても,2000年にわたって伝統を守り抜き,
ようやく新たな土地で国を再興できた人々もいます。
日本がそういう生き残り方をすることができるかどうか。
伝統や文化に目を向かせることが,
自分の利益を優先させたがる一般的な人々の価値観をどう変えることができるか。
「歴史を学ぶこと」「伝統や文化を知ること」が,自己利益優先の歯止めとなるかどうか。
学校教育に課せられた責任はとても重いと言えます。
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