ミッドウェー海戦と市和歌山高校の敗戦の共通点
高校野球では,まさかの幕切れというのがときどき起こる。
3塁ランナーがホームベースを踏んだ瞬間に負けになるのがわかっていながら,
守備の巧い2塁手が1アウトで1塁に送球してしまった。
作戦上,ダブルプレーがとれるゴロの場合,2塁に送球するという選択肢もあったことが,
不意のイレギュラーに判断力が失われ,本来はあり得ない1塁送球というミスを生んだ原因だと考えられる。
この出来事をスポーツニュースで知って,
すぐに頭に浮かんだのが,日本のミッドウェー海戦での大敗北である。
土壇場の大事な場面では,狙いを一つに絞るというのは鉄則なのだが,
高校野球の場合,守備に自信があったために,「2つのうち,いける方でいく」という贅沢な作戦をとってしまった。
もちろんダブルプレーを狙っても,1塁がセーフになれば試合終了だが,
結果として,「2つのうちのどちらでもない行動」をとってしまったのが,大ショックを生んだのだ。
ミッドウェー海戦において,空母の中で爆弾の積み替え作業を行っていた人たちは,どんな気持ちで爆撃を受けていたのだろう。
指揮官の判断ミスを呪っていたのだろうか。
上官の命令には絶対服従だった人々は,最期に何を悟ったのだろう。
どちらもミスした側には残酷な結末が待っていた。
高校生には,今回のミスから学んだ教訓を生かすことができるこれからの人生が待っている。
国の指導者には,
こういうタイプのミスを犯してくれるな,と切に願う。
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