流動性知能の発達に磨きをかけることの意味
結晶性知能に対して流動性知能は,遺伝の影響が大きいと考えられてきたが,
そうではないことを実証しようと研究している人は多いようである。
ただ,訓練のためのプログラムは,それほど「楽しい」ものではないようだ。
集中力が持続する子どもはある程度の成果が見られるようだが,
そういう「訓練」を強制される子どもたちの中には,二重の意味でつらい思いをしているものがいるかもしれないことを知っておいてほしい。
やるのがつらい。成果もでない。
百マス計算をやっている教室に,そんな子どもはいませんか。
学び合いとかいって,楽しそうに教えている子どもの目の前に,
だまったまま,返事もできないでいる子どもはいませんか。
できる子どもにも,できない子どもにも,学習を通して「結晶化」していくものがたくさんあるでしょう。
単なる「訓練」に夢中になってしまう子どもが,何かを失っていないか,
単なる「訓練」をやらされている子どもが,何かを失っていないか,
考えてあげるゆとりがほしいものです。
学校では,どんな能力を身に付けさせてあげるのか。
それは,教育基本法にも示されていますし,具体的には学習指導要領に示されています。
学習指導要領の解説は,教科編だけでなく,総則編にも目を通しておいた方がよいですよ。
採用試験でも,採用条件として,正解できることを必須とするような問題を,ここから作ってほしいものです。
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