ミスをしながら能力を向上させる人たち
教育実習の3週間は,どのくらいの「ミス」ができたか,
その「ミス」をどのくらい自分や仲間,指導教諭たちと議論できたかで,
将来,よき教師になるかどうかが決まってしまうと言ったら・・・もちろん言い過ぎですが,
そんな心構えを実習生と指導の教師が共有できていたら,すばらしい実習になるでしょうね。
『日本の身体』(新潮社)の内田樹と平尾剛との対談で,平尾剛が次のような話を紹介してくれています。
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だからミスはたくさんした方がいい。でも今のスポーツ教育ではミスをやかましく咎めます。パスのタイミングが合うまで10段階の調整が必要だとしたら,二段階目くらいで「こんなに怒られるならパスはやめとこ」って,パスしなくなる。
そういう指導ではダメじゃないかと考えていた時,ニュージーランドのナショナル・チームのアシスタント・コーチだったロビー・ディーンズが,世界的に名の知れたプレーヤーであるリッチー・マコウについて,彼がチームで一番ミスをする,ミスをするけれども,それ以上にいいプレーをする,・・・・・
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なぜそれが「ミス」なのか,あるいは「誤り」なのかがわからないで,実習生と教員がけんかをする事態になる場合もあるそうですが,双方に「コミュニケーション能力」が欠如している状況なのですね。
こういう事態が起こっているとき,双方ともに教師にはそもそも向いていない,ということがわかるという話でもあります。
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