「制スマホ」で学校崩壊?
便利な道具は,どんどん使うべきだ,という「文明絶対主義者」の原理主義は,
学校のようなすでに制度疲労の限界に近づいているものにとどめを刺す破壊力をもっている。
スマホは中高生にとってゲーム機であり,通信機であり,落書き帳である。
スマホを駆使して学力向上し,有名大学に合格した,なんて高校生を生み出そうとやっきになっている業者がいるかもしれないが,実現するとは思えない。
授業をうけるより,スマホのアプリで「受験サプリ」を受けていた方が効果が高い,
という「実験結果」は得られるかもしれないが。
「受験学力」をつけさせるのに,もう「学校のカリキュラム」は「足手まとい」でしかない,
という時代も来るかもしれない。
スマホの利用状況について,教師がアンテナをはって,ネットいじめが起きていないか,監視するような役割を担ってからまだ日は浅い。
そのうち,「スパイ役」の生徒が任命され,網にかかってくる「いじめ・加害者」を捜索するような
「捜査」が始まるかもしれない。
教師に対して,こういう仕事だけは課さないようにしていただきたい。
子どものスマホの利用について,責任をもつべき主体がだれかは明らかである。
利用状況のすべてが親に筒抜けになるような仕組みがほしいところである。
どのような機能を何時間ずつ利用していたかというデータだけでもかまなわない。
こういう仕事を請け負おうとした学校は,考えが甘すぎた。
これで学校が崩壊したら,本当に気の毒であるが,
一度与えた「おいしいもの」をとりあげると,子どもはどうなるか,
子育て経験者ならわかるはずだろう。
« 「おかしい人」を決められるのはだれか? | トップページ | 「チームワーク」をスローガンにするような組織の問題点 »
「教育」カテゴリの記事
- 教員になりたての人がすぐ辞める理由(2019.01.12)
- 教育は「願ったもの勝ち」「言ったもの勝ち」ではない(2019.01.08)
- 「一人も見捨てない」は罪な要求である(2019.01.04)
- 列で並ぶこと自体が好きな?日本人(2019.01.01)
「ニュースより」カテゴリの記事
- 止まらないビールの需要減(2018.12.30)
- 五輪ボランティアの数字を見て(2018.12.27)
- 南青山に似た環境の公立学校は,頑張った。(2018.12.23)
- 愛校心によって大切なものを失った経験から(2018.12.16)
「学校選択制」カテゴリの記事
- 教師の成長力を奪う力(2017.11.19)
- 大規模校と小規模校の違い(2017.08.24)
- 女性社会が男性社会に変わることが中1ギャップの最大の原因か?(2017.08.13)
- 若い先生が増えると,子どもや管理職の悩みも増える(2017.08.12)
- 美味しくなってきたペットボトルのお茶(2017.08.07)
「教育改革」カテゴリの記事
- 改正教育基本法第16条の問題点(2018.12.28)
- 今,手を抜いていると,公教育の民営化が本格化したとき,・・・(2018.11.24)
- 国後島で考えたこと~日本の教育(2018.10.02)
- 都合の悪いことに目を向けさせなくする教育(2018.09.08)
「ブログネタ」カテゴリの記事
- 「大人になったら教師はいなくなる」は大間違い(2017.11.27)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
- 「功を焦る子ども」に成長が阻害される「弱者たち」(2017.09.26)
「学校評価」カテゴリの記事
- 教師の成長力を奪う力(2017.11.19)
- 成長をとめないために(2017.11.18)
- 最低限の教育の場の確保を!(2017.11.06)
- 「怒鳴り殺し」の生活指導(2017.10.18)
- 9月19日 食育の日と給食大量食べ残し問題(2017.09.19)
「教職教育」カテゴリの記事
- 「総合的な学習の時間」の指導ができるように教育できるのはだれか(2019.11.24)
- 生徒との対話の中から自然に目標達成へのルートをつくる(2018.12.26)
- 私でなくてもいい,私ではない方がいい(2018.12.14)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
「仕事術」カテゴリの記事
- ネガティブ・ケイパビリティ~解決困難な問題に正対し続けられる資質能力(2017.12.04)
- 準備体操なしで全力疾走させるような授業はアウト(2017.11.26)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
- 教師の成長力を奪う力(2017.11.19)
- 成長をとめないために(2017.11.18)
「教師の逆コンピテンシー」カテゴリの記事
- 遠慮しないで情報を提供しろ!~いじめを見逃す環境との戦い(2018.12.29)
- 偶然の重なりと緻密な演出~インスタレーションから受けた刺激(2018.12.22)
- 子どもから有能感を奪い取る方法(2018.11.25)
- 量より質が大事なものと,質より量が大事なものとは?(2018.04.23)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
「教育実習」カテゴリの記事
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
- 鉄道トラブルと学校教育の劣化の共通点(2017.12.23)
- ネガティブ・ケイパビリティ~解決困難な問題に正対し続けられる資質能力(2017.12.04)
「教員の評価」カテゴリの記事
- 私でなくてもいい,私ではない方がいい(2018.12.14)
- ペーパーテストだけで「評価」ができる「教科」はない(2018.05.26)
- 子どもの人間関係に対する不感症の影響力(2018.03.28)
- 自分のダメさを完全に棚上げできる才能の伝授(2017.12.29)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
「教員研修」カテゴリの記事
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
- 鉄道トラブルと学校教育の劣化の共通点(2017.12.23)
- ネガティブ・ケイパビリティ~解決困難な問題に正対し続けられる資質能力(2017.12.04)
この記事へのコメントは終了しました。
« 「おかしい人」を決められるのはだれか? | トップページ | 「チームワーク」をスローガンにするような組織の問題点 »
コメント