業務縮小のための調査で何が明らかになるか
東京都教育委員会は,教員の業務縮小に向けての取り組みを開始するそうである。
調査モノが大嫌いな教員たちにとって,
「業務縮小をめざすための調査」に協力するというのは何とも言えない話だろうが,
私の興味はどこにあるかというと,
「だれがどの程度,どういう仕事を大変だと思っているのか」という調査結果の方である。
教員たちはバカではないから,
「子どものための仕事」を「面倒くさい」と書くようなことはしない。
優先順位を考えて,「こんな仕事はなくしてほしい」という訴えをするはずである。
しかし,行政を経験している私から見ると,
中学校時代に時間をかけていた仕事は,別にやらなくても文句は言われないことばかりだった。
だから,「何がたいへんなのか」「どんな仕事を減らしたいか」と聞かれても,
何も答えようがない。
すべてが「必要だ」と感じる仕事であった。
「必要だ」と自分が感じるから,1日16時間程度なら普通に働くことができたのだろう。
謝恩会という場で,保護者と飲食をしなければならないのは避けたい,そのくらいである。
公務員なのだから,やらなければならない仕事はやらなければならないのだ。
この手の調査は,ある意味,非常に危険であることを教員たちは気付いているだろうか。
答え方によっては,自分の仕事の能力をそのまま測定されてしまう道具となる。
慎重に調査方法を検討すべきであるし,
実際に調査が始まった場合,教員は慎重に答えるべきだろう。
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