平成28年度の学習指導要領全面改定に向けて
読売新聞のニュースによれば,今回の改定は,グローバル化,幼児教育,小中一貫教育などに対応するもので,平成32年度,つまり2020年に小学校で全面実施する方針らしい(幼稚園は2018年度,中学校は2021年度,高校は2022年度全面実施)。
この秋に中央教育審議会に諮問され,そこで出される答申に基づいて学習指導要領は改訂されるが,その下敷きとなる内容はすでに決まっているものと考えられる。
中教審の主なテーマは・・・。
1 小学校の英語・・・外国語活動は小3に前倒し,小5・小6で正式教科に
2 高校の日本史必修化
3 高校で新教科「公共」を導入
4 伝統的な日本文化に関する教育の充実
既定路線である。
さらに,小中一貫に対応するため,学年別に定めている教科内容の弾力化を検討する・・・ということは,中1で学んでいる内容を小6で扱うことも可能となる。
乱暴なことを言えば,小6の歴史は廃止して,中1から学んでいる通史をじっくり4年間かけて学習することも可能になるかもしれない。個人的には,高校の日本史が必修になったことで,歴史学習の充実度は相当に高められると期待される。もちろん「覚える量を増やす」ことではない。
「考える絶対量を増やす」ことで,「考えの質も高める」ことに結びつけられる。
対人関係能力,課題解決力,ICT活用能力などの育成も図られるから,
画像や映像も用いた「歴史討論会」のような時間も設けられるだろう。
« なぜ部活動の指導を外部の方に任せられないのか | トップページ | ロイロノートの将来性~ICT活用能力の育成 »
「教育」カテゴリの記事
- 教員になりたての人がすぐ辞める理由(2019.01.12)
- 教育は「願ったもの勝ち」「言ったもの勝ち」ではない(2019.01.08)
- 「一人も見捨てない」は罪な要求である(2019.01.04)
- 列で並ぶこと自体が好きな?日本人(2019.01.01)
「ニュースより」カテゴリの記事
- 止まらないビールの需要減(2018.12.30)
- 五輪ボランティアの数字を見て(2018.12.27)
- 南青山に似た環境の公立学校は,頑張った。(2018.12.23)
- 愛校心によって大切なものを失った経験から(2018.12.16)
「学習指導要領」カテゴリの記事
- なぜ新しい学習指導要領が失敗に終わることがわかっているか(2018.01.17)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
- 教師の成長力を奪う力(2017.11.19)
- 成長をとめないために(2017.11.18)
「教育改革」カテゴリの記事
- 改正教育基本法第16条の問題点(2018.12.28)
- 今,手を抜いていると,公教育の民営化が本格化したとき,・・・(2018.11.24)
- 国後島で考えたこと~日本の教育(2018.10.02)
- 都合の悪いことに目を向けさせなくする教育(2018.09.08)
「歴史学習」カテゴリの記事
- 皇族への言論弾圧(2018.11.30)
- 正倉院展を訪れて(2018.11.06)
- 日本における戦後の急速な発展を支えた教育とは?(2018.09.22)
- 近づきにくい人に近づく方法(2018.09.10)
- 縄文女子と飯盛山のさざえ堂(2018.08.15)
「社会科」カテゴリの記事
- 止まらないビールの需要減(2018.12.30)
- 皇族への言論弾圧(2018.11.30)
- ありえない課題設定・・・EUが1つの国?(2018.11.24)
- 1000人当たりの暴力行為発生件数ワースト5は(2018.10.29)
- 創造性を奪うポートフォリオ評価(2018.06.05)
「教職教育」カテゴリの記事
- 「総合的な学習の時間」の指導ができるように教育できるのはだれか(2019.11.24)
- 生徒との対話の中から自然に目標達成へのルートをつくる(2018.12.26)
- 私でなくてもいい,私ではない方がいい(2018.12.14)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
「小中連携」カテゴリの記事
- 中学校化している?小学校の授業(2018.10.15)
- なぜ学習指導要領が「小学校寄り」になるのか?(2018.10.13)
- 小学校英語教育の最大の欠点(2018.08.11)
- 中1ギャップを考える前提としての小中ギャップ(2018.05.28)
- 小学校に望む本当の「働き方改革」=小学校が変われば「中1ギャップ」解消に一歩近づく(2018.01.30)
「教員研修」カテゴリの記事
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
- 鉄道トラブルと学校教育の劣化の共通点(2017.12.23)
- ネガティブ・ケイパビリティ~解決困難な問題に正対し続けられる資質能力(2017.12.04)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント