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ブログの「偽表示」問題

 「具体的な指導法を紹介します」とタイトルでうたっておきながら,抽象的なことしか書けない人がいる。

 教育実践がない人間を講師に招いてみても,何の役にも立たないことは研修を受けてきた多くの教師が実感しているところだろう。

 どんな能力が必要か,なんて話を聞いたところで,突然,そういう能力が身につくことはない。

 また,話が具体的でないと,それが本当に役に立つことかどうかもあやしく思えてしまう。

 教師の「発想力」が大事と言いたいのであれば,

 具体例の一つでも挙げてみたらどうか。

 歴史の授業を例にとってみよう。

 近世社会の基礎がつくられていった時代の歴史を学んだ後,

 ぜひ比較しておきたい歴史上の人物がいる。

 織田信長と,だれかを比較する。

 中学生の歴史学習は,多くの場合,「個別事象学習」になってしまっており,

 それぞれの事象の「歴史的な意味や意義」に気づけないまま終わってしまっている。

 だから「歴史の大きな流れ」も実感できず,

 「時代の特色を説明せよ」なんて問われると,何も書けない子どもがたくさん出てきてしまう。

 織田信長の学習を終えたら,その政策の意義を理解できているかどうかを

 確かめるための絶好の人物が一人いる。

 答えをここで書くのはやめておこう。

 正解は一つではない。

 発想力を生かす場面とは,こういうところである。

 新しい国のかたちがある程度,できあがると,信長やその人物が取り組んできたこととは逆の動きが生まれ,見せかけの「安定」がもたらされる。

 歴史がどう「繰り返されているか」を中学生なりに説明できるように指導してあげたい。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より