0.2%の差が大騒動に
県で実施した学力調査の平均正当率で,岡山市が倉敷市に抜かれたことがニュースになっている。
どちらも県の平均を下回っているようで,倉敷市が浮かれているわけではないことも記事では示されている。
たった0.2%の差でも,順位をつけるとこうした大きな騒動になる。
6000人と4500人の平均正当率の差であるが,
これで岡山市は「課題を洗い出す」などと本気になっている。
「こんな差には意味はない」
と吐き捨てるのは簡単な話だが,
「~市に抜かれた!」などという「衝撃」でも与えないと,授業改善に本気で取り組もうとしないのが,
行政や学校現場の課題であるのも確かである。
そもそも,60%を割り込んでいるような学力の状況自体が課題といえるような
問題なのか,そうではないのか。
地域間の学力格差とは,何%くらいの開きがあれば,「格差がある」と言えるのか。
そういうことを分析できる専門家が存在しないのが日本の教育界というところなのだろう。
0.2%でもどこどこの市には負けたくない,
こういう発想自体が情けないと笑い飛ばせることができない人が,実は多いのではないか。
受験という競争をくぐり抜けてきた人たちにとって,1点の重みは半端ではない。
とはいえ・・・。
「倉敷市に抜かれるのは恥だ」とがんばる岡山市の先生の姿は,なかなか想像しにくいものである。
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