結局,自分は必要とされない存在だということ
子どもを励ますことは,なかなか子どもにはできないことがある。
大人には,少しだけ長く人生を過ごしている分,子どもを励ますゆとりがある。
子どもも,大人を励ますことはできる。
こう考えると,子どもより大人の方が,恵まれた存在である。
大人には,自分が必要とされていない存在であることに気づくゆとりがある。
子どもにそういうことを気づかせる環境というのは酷いものである。
自分で自分が必要とされていない人間の典型であることを示し続けている人がいるが,
そのことに自分自身が気づいているかどうかは微妙なところである。
すでに現場を去っているのなら,子どもに実害は及ばない。
校長の仕事で最も難しいのは,
仕事をさせにくい教員に何もさせないですませることである。
担任をもたせずに,学年主任をやらせるという手段が昔からとられているが,
学年の教員たちはたまったものではない。しかし,最悪の事態は防ぐことができる。
校長には,教員を守るより先に,子どもを守る義務がある。
何をさせるかよりも,どうやって何もさせないですむかを考えなければならない。
仕事が増えれば文句を言い,仕事がなければないで文句を言う。
こういう教員は,自分が必要とされない存在であることには絶対に気づこうとしない。
逆に,自分が必要とされていることを過剰にPRするクセがある。
そんなこと,だれが聞いても何の意味もないのに。
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