他人を救うつもりで他人だけでなく自分も滅ぼす子どもたち
問題行動を起こす子どもたちは,滅多に「仲間を売る」ことをしない。
嘘をついてでも仲間を守ろうとする。
これは,「仲間を売ったやつ」として後でいじめられないようにする,という自己防衛策かもしれないが,
純粋に「友達を売ることはできない」と思って隠したり嘘をついたりもする。
「今回は私が守る方だが,次の回は自分が守られる側になる」という意識があるかもしれない。
道徳の授業をまじめにやっている中学校では,こういうケースを題材にして,
徹底的に議論させると,
「仲間を売る」ことと「仲間を救う」ことがイコールであるという結論に達することができる。
しかし,中学生に正面から向き合えない教師が授業をしたり,
道徳にまじめに取り組まないと,
(余談だが,小学生の私の娘は,4月から5月が終わろうとしている今まで,一度も
道徳の授業をやっていないと「証言」している)
正直に悪事を白状し,関係する生徒を教師に教えた子どもはいじめられるし,
芋づる式に出てくる「共犯者」たちがまた勝手な行動をし出したりして,収集がつかなくなる。
正直者がバカを見るような環境をつくってはならない。
大学の犯罪心理等の研究者は,ぜひ
犯罪者たちの中学校時代の担任に聞き取り調査をしてもらいたい。
犯罪者たちではなく,担任だった教師たちに共通点が見つかるかもしれない。
まともな人間が教育をすれば,犯罪は減らせるという仮説が成り立つ可能性を信じたい。
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